‡〜副管理人のSS【一次創作】〜‡

序章─嘆きと怒り、そして始まり─
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ここは世界最大の王国─ウルベルム─より少し東の方にあるエアベルンという町だ。
この町はウルベルムによって統治されている。
よって、エアベルンには軍の基地がある。
まぁ基地と言ってもそんな大それたものじゃない。
俺達軍人が暮らしているアパートみたいな寮が一つ。
訓練所なんてのもないし、寮なんて町人達が順番に当番で管理してるという形式。
何も知らない人から見れば何の変哲もないアパートだ。
それ以外は特に何もない、いわゆる田舎町だ。

?「ったく、ジン兄どこだ?
やっぱいつものとこかな?」

おっと、自己紹介がまだだった。
俺はカイン・ボガート。ジン兄が隊長をしてる『カミカゼ小隊』の一人。
ジン兄に稽古をつけてもらう約束してるんだけど…、まぁ見つからないんだよね。

ジン兄がいつもいる場所、そこは公園。
よく子供達の相手をしている。

カイン「あ!
やっぱりここにいた。
ジン兄ーっ」

?「ん?
おー、カイン。
どうした〜?」

子供達に囲まれながらこの呑気な返事をしたのがジン兄、本名 神来月 仁。
ジパングから来たらしく、ウルベルムでも見たことない服や家具、アクセサリーなどを持っている。
性格はかなり人懐っこい。
だから町人達にすごい人気がある。
寮の管理態勢もジン兄の決めたことだ。
町人との交流も大切らしい。
おかげでこの町の治安はかなり良い。
まぁ時々この人本当に軍人か?、って思うこともあるけどジン兄がいるおかげで毎日が飽きない。

カイン「今日稽古つけてもらう約束してたはずだよ?」

仁「…忘れてた」

ジン兄はかなりいい加減だ。
約束事は大体忘れるし、事務仕事はほぼ全て副隊長のソルさんに任せている。

仁「ならここでやるか」
カイン「え!?」

仁「木刀もあるしな」

ジン兄はそう言って木刀を二本取り出した。
…どこにしまってあったんだろう。

カイン「ちょっ、子供達どうするの!?」

仁「見せてやればいいさ。
お前達も見たいだろ?」

ジン兄はそう子供達に聞いた。

子供達「うん!!」

カイン「危なくね?」

仁「大丈夫だって。
子供達の方に木刀はじかなきゃいいんだし」

簡単に言ってるように聞こえるが、実際はかなり難しい技だ。
でもジン兄はいつもそれを軽くやってのける。
なぜなら、ジン兄はウルベルム軍の中でも五本の指に入るほどの実力を持っているからだ。
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