‡〜リトルバスターズ〜‡

---理樹くんとはるちん☆
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『理樹くんとはるちん☆』


季節は秋。




『理樹くんとはるちん☆』


季節は秋。
なんだ…朝からゴッサムな日だ。
あぁ…暖冬なんて糞食らえ。

「うぅ…さむ」

男子寮の一室。
直枝理樹ちゃんは目覚める。

「このままだと死ぬ」

ちらりと部屋を見渡す。
うん、ゴッサムは真人のせいだ。

窓が全開…もとい、全壊していた。
大方、筋トレ中に割ったのだろう。

「全く、寮会にお小言喰らうのは僕なんだから…」

全く。自重して欲しいものだ。 我らが主人公が凍死したらどうするつもりだ。

「はぁ…」

理樹は溜め息を吐いた。 どうせ、直してもまた壊すのだろう。

「溜め息ばっかり吐いてると、しあわせが逃げちゃいますヨ?」

「まぁ、そうなんだけど。」

もぞもぞと布団から顔を出す葉留佳に返事をする。
「取り敢えず、理樹くんおはよ〜」

ちゅっ
フレンチキス。

「朝からしあわせ補給だよ♪」

「ありがとう、葉留佳さん…んっ」

今度は理樹からのキス。
「…ん、ちゅ…はぁ…」

先程よりは深いキスだ。
そっと唇を離すと、葉留佳はどこかトロンとした目で理樹を見つめた。

「なんか、ふわふわしますネ…」

朝の恒例行事。
というか、日課。

これは、理樹と葉留佳が同じ部屋に住んでいるが為にできることである。

普通なら認められない事態だが、佳奈多と理樹が寮長であるということもあって、イレギュラーが黙認されている。

事故以来、葉留佳と佳奈多の仲は良好。
甘えん坊な妹とどこまでも妹を甘やかす姉…あまあまな関係が続いている。

「はるちんはおねむなので二度寝します…」

またベットに潜り込んでいく葉留佳。
時計は既に8時を指していて、二度寝したら完璧に遅刻する時間である。

「ほら、葉留佳さん起きて…学校に遅刻しちゃうよ?」

「やだ、学校行かない」
…理樹くんと一緒にいる

甘えん坊である。
というか、理樹が学校をサボることを前提に話をしている。

「じゃあ、僕は学校に行くから」

いつものことである。
大抵の日はこれで起きるのだが、ただ今日は違った。
きゅっ、と服を掴まれる。
振り返ると

「うぅ…えぐ…」

泣き顔の葉留佳が理樹を見つめていた。

「…いっちゃ…やだ、理樹くん…」

ぐずぐずと泣いている。 そう、葉留佳は理樹の想像以上に感情の起伏が激しく…甘えん坊なのだ。

「葉留佳さん…」

ギュッと抱きしめる。

「ごめんね。でもほら、遅刻しちゃうから…学校行こ?…ね?」

今にも千切れそうな安っぽい理性を押さえつけて、耳元でそう囁いた。

「…やだ」

また、強情である。

「じゃあ、もう僕の枕あげない」

「…え?」

葉留佳、悩んでいる。
前に言っていた通り、理樹の枕は欲しいようだ。

「…わかった、今日は学校いく」
枕の誘惑には勝てなかったか。
しかし、明日からは行かないのだろうか?
色々突っ込みたいところだが、理樹も遅れたくはない。
泣き止んだ葉留佳の手を優しく引いた。



























「…ふぅ、なんとか間に合った。」

学食で食事を済ませて教室に入る。
既に生徒の大半が集まっていた。

「それで…葉留佳さん、教室違うよ?」

朝からずっと手を離さない葉留佳に声をかける。
結局、学食でもずっと手を繋ぎっぱなしだった。

周囲からの生暖かい視線が正直、辛い。

「やだなぁ、理樹くん。はるちんの教室はここだよ!」

胸を張って言い切る葉留佳。

「いやいや、そんな胸張って言われても」

もうすぐ一限目も始まる。
ここにいたら遅れてしまうし、先生に怒られてしまうだろう。

「酷いですねー、理樹くんは…」

いやいや、酷いのはあなたですから。

「ほら、教室に戻らないと佳奈多さんが心配するよ?」

何とかして返そうとする理樹に葉留佳は不敵な笑みを浮かべた。

「ふっふっふー、理樹くぅん…はるちんの姉の力を舐めない方がいいですヨ?」
「えっ?」

嫌な予感が理樹の心をよぎる。

「風紀委員長の圧力を持ってすれば、1人の人間をクラスから追い出すことくらい簡単なのですよ!」

まさか

「…ということで、はるちんは今日からここの生徒なのだー!」

嫌な予感的中。
二木佳奈多…アンタって人は。

「…待って?机とかの問題が……あ」

理樹は見てはいけないものを見てしまった。
ぽっかり空いた席。
机の上には花瓶と菊の花。
杉並睦美。
その人の席がぽつん…と。

「もしかして、殺ったの?ねぇ、葉留佳さん…杉並さんを殺ったの!?」
































「…やはは、そんなことはないですよ?」

今の間はなんだ。
目を凝らすと木製の床に人の血痕らしきものが残っているようにも見えなくもない。

うん、明らかに致死量。
そして、そのまわりに散らばる血痕の付着したビー玉たち。


「…見なかったことにしよう」
おっけー?
うん、おっけー。


理樹くん、現実逃避。


あぁ…憐れな杉並睦美。
存在ごと抹消されたかのように扱われている。
某人気アニメの敵に喰われたかのように。
理樹は衝動的に、杉並の燃え滓を探したが、それが見つかることはなかった。
杉並を喰らったぐぜのともがらは…余程空腹だったのか。
可哀想な杉並よ。
お前はトーチすら残さず消滅したのか。

この町に炎を操る人々はいないので、生存確率は0に近い。


…その日以来、彼女の姿を見た者はいない。















憐れな杉並に三秒間の黙祷。




































キーン コーン カーン コーン





ホームルーム開始のチャイム。


「やぁ、みんなおはよう」

浮かない顔の教師が入ってくる。

「突然だが、みんなに残念なお知らせがある。」

理樹は悟った。

「杉並が……………」


………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………














キーン コーン カーン コーン キーン コーン カーン コーン…


教師は出ていった。


「えぇえぇぇ!?」

なんなんだ教師よ。お前は何がしたかった?

杉並睦美。
本当に可哀想な人間である。

そう、このクラスを受け持って半年も経っているのに誰にも名前を覚えてもらえないここの担任並みに。










一限目は現国。

「ねぇねぇ、理樹くん。ここがわからない。」

クイクイと理樹の手を引っ張る葉留佳。

結局、クラス替えをしたのは本当らしい。

殉職した憐れな杉並の席を移動させて理樹の隣に来ていた。

「えっとね、ここは…」

ただ、どうかお願いです。
…どうかその手を離してください。


授業開始から手を繋ぎっぱなし。
ちなみに、先ほど理樹がやんわりと手を離そうとしたら泣いた。

※ほら、鈴と真人がスッゴい殺気の籠った目で僕らを見てるから。
来ヶ谷さんがはぁはあしてるから。危ないから…※


…ただ、流石、学校一空気を読まない騒がし娘。


「解けたら…ご褒美にキスして?」


「いやいや、みんな見てるよ?」



今は授業中です。



「して、くれないの?」

そして、学校一寂しがり屋で…甘えん坊なかわいい女の子。


そんな目で見られたら、理樹くんのちっぽけな理性なんて簡単にちぎれてしまう。彼の脳内でマスク・ザ・斎藤がはりゃほれうまうー…と勝利のダンスを踊っている。
余談だが、あのマスクは今、理樹の部屋の壁に飾られている。
嬉しくて持ち歩いてなんか、断じてない。
…断じてない!
常にポケットに入ってなんかいない。
↑どういう仕組みかはわからないが、使わない時はモンスターボール並みに小さくな(ry。

「もう…しょうがないな」

「…ぉんと?」

ぐずっていた葉留佳に苦笑しながらも優しくキスする理樹。
何だかんだ言って、理樹も甘いのだ。

「うぉおぉぉぉぉぉぉぉ!じぇらしぃいぃぃ!」


真人少年よ。
キミは理樹くんの唇が欲しいのかい?
友情もここまでくるとホモに間違われかねない。

理樹は前に唯湖が話していた『ホモと友情って紙一重だよね』について思い出した。
…来ヶ谷よ、貴女はほんの冗談で言ったようだが…正直、洒落にならないぞ?


「理樹、あたしにもしてほしい。」


鈴が理樹の机までトコトコ歩いてきてそう言う。
上目遣い、頬を赤く染めながら。


―…だから、後生です。
これ以上話をややこしくしないでください。

そんな鈴に萌えながらも、理性を失わない直枝理樹くん。
いや、お前は神か?

「ぶっ…」

「ほわぁ!?ゆ、ゆゆゆゆ唯ちゃん!?」

ほら、来ヶ谷ちゃんが鼻血噴いた。

「直枝×三枝…新たなジャンルです。」


教室は大混乱。
騒ぎを聞き付けて飛び込んできた恭介を取り敢えず窓から突き落とした。

「はりゃほれうまうー!!」

ドンッ!



「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


悲鳴をあげながらフュードアウトしてゆく。




さらば、勇者よ。
三階だが、恭介なら生きて帰ってくるだろう。
何せ偽りではあるが、世界まで創ってみせた男だ。
死ぬなんてことはない。
…たぶん。































「うぉおぉぉぉぉおぉぉぉ!!」


ほらね?
窓から飛び出した謙吾が落ちていく恭介を空中で見事にキャッチ。


そして、中庭に無事着地し、親指をグッとたてこちらに恭介の無事を伝えると、その場にぶっ倒れた。
まぁ…放って置いても死にはしないだろう。












…その後
言うまでもなく授業は自習になり理樹と葉留佳は生徒指導部に呼び出された。


まぁ、幸い(?)教師が居なかった為、佳奈多とお茶を飲みながら談笑していただけだったが。















「まったく、少しは自重しないと駄目だよ?」

生徒指導部からの帰り道、理樹くんは葉留佳にそれを諭す。

「はぁ〜い…」

まったく、返事だけは素直だった。


こんな日が続いていくのも、まぁいいだろう。

理樹は優しく葉留佳の頭を撫でた。



あとがき


妄想の垂れ流し!
読んでくれてありがとー!
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