‡〜リトルバスターズ〜‡

---夢が覚めたら/理樹×沙耶/シリアス?
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…それは、雪のような冷たさで。 
あたしの体温




…それは、雪のような冷たさで。
あたしの体温を徐々に奪っていく。

それは死。

もう助からない。
致命傷ではないが、放っておけば死に至る。

そんなケガ。

でも、あたしは叫んだ。
足掻いた。


『助けて!!』


言葉にはならなかった。 でも、
それは水の波紋のように広がった。


直後、
訪れた大きな波。
例えるならば、それは誰かの想い。

望み、夢、希望、優しさ、慈しみ。
さまざまな想いの宿った波。
とても、暖かい。

あたしはすがった。


そこは、あたたかく、とても優しい世界だった。
愛に満ちていた。


あたしの駆け抜けたかった青春が…そこにはあった。

ここは、何処なのか。
臨死の世界なのか…夢なのか。

あたしはそこで恋をした。
とても優しい男の子に。
そして、彼と一緒に戦った。
理不尽と。

その世界はあたしを拒んだ。
だから抗った。
必死で。


守りたかった。
この時間を。
初めての恋を。


もっともっと…彼と居たかった。

でも、世界はどこまでも残酷で。


それでいて、どこまでも優しかった。
































だからあたしは































セカイのはぐるまがどうしようもなくずれてしまうまえに



































この時間を諦めた
優しい世界を去った。
暖かい世界を去った。

最期に、あたしは彼が昔の幼馴染みだったことを知った。










































戻ってきた。
刺すような痛み。

こちらが現実


でも、あたしは溢れかえる程の優しさを、あたたかさを知った。
教えてもらった。

だから、これ以上は望み過ぎだ…そう思った。


だから あたしは 静かに この世界を 去っ―――

























『沙耶は…このままで良いの?』












…え?
一瞬、耳を疑う。
声が聴こえた。

幻聴かな?
































『沙耶は、もう良いの?』


























それは…愛しい彼の声。 あの世界の
夢の世界の
もう二度と聞けないと思った優しい声





































『もっと…生きたくないの?』





















この世界の何より優しい、大好きな彼の声。
理樹くんの声
































そう。
本当は



























死にたくない。

死にたくなんか…ない



























もっと生きたい















































『じゃあ、叫んで』































愛しい彼は大真面目な声で、聞きようによってはかなりSな発言をした。


















きっと、笑っている。
今の自分も
愛しい彼も

そんな気がした。

でも、声はもう出ない。



































『なら、魂からの叫びを、沙耶の叫びを…僕に、僕たちに叫んで!!』

どんな形でも、どんな叫びでもいい!


































僕たちに?









































『そう、僕は、僕たちは、絶対助けに行く。』
それが、どんな形であれ。たとえ、世界を敵に回しても。





















そう言って、彼は笑った。そんな気がした。












うん。
決めた
理樹くんがそう言ってくれるなら。

































『助けて!!もっと生きたい!!……理樹くん!!』

わたしは魂からの叫びをあげた。


…もう、彼の声は聴こえなかった。

やっぱり、幻聴だったのかな?





































―…わたしはそっと、意識を閉じた。























































目を覚ます。
体が重く、凄くだるかった。

一瞬、ここが天国かと思った。


でも、自分に巻かれた包帯を見て、ここが病院であることを知る。


「…おはよう、沙耶」


そして、
そこにいた。

もう会えない。
一度ならずそう思った。
大切な 大好きな 愛しい彼


「助けにきたよ、沙耶」
―…僕の、大好きな沙耶


理樹くんは言った。


「僕たちは、ちゃんと助けにきたよ」



僕たち、という言葉に理樹くんの後ろに注意を向ける。

たくさんの人がいた。
みんな、笑っていて。

―…あぁ、これが、あたしの欲しかったもの

世界は こんなにも あたたかい



あたしは、溢れてくる涙を堪える事ができなかった。






「あなた…たち……は?」


泣きながら、そう訊いた。












「悪を成敗する正義の味方、人呼んで…リトルバスターズさ」

1人が答えた。








時風瞬。
闇の執行部の部長であり、リトルバスターズのリーダー。
優しい世界の創造者




本名は…棗恭介。
理樹くんが慕ってやまない人。



何故か、思い出せる。












すまないな、と彼は謝った。
あのときは、こうするしかなかったと。












あたしは許した。
優しい人だということを知っていたから。


何より、世界を裏切ってまであたしを助けてくれた理樹くんの…彼らのリーダーに恨みなんてもてない。






…ただ
叶うのなら
これが夢ではないのなら














「あたしも、リトルバスターズに入りたいな」













そう言っていた。

彼らは、笑って受け入れてくれた。

今度は、普通の青春を駆け抜けたかった。

いや、駆け抜けよう。


理樹くんと
みんなと
リトルバスターズのメンバーとして。


「沙耶」

理樹くんに呼ばれて振り向くと

「ん…」

キスされた。

嬉しかった。
でも、恥ずかしかった。

みんなに祝福された。


独特のツインテールの女の子が理樹くんをぽかぽか叩いていた。

「理樹くんの浮気者ー!!」


そんな2人をみて、みんなまた笑った。



きっと こんな日が ずっと 続いていくんだ。


















































「…こうして、理樹少年のハーレムはできあがっていった」





「ちょっと、来ヶ谷さん!?」
























本当に楽しい人たちだ。








ずっと


この日常が


しあわせが


続いて


いきますように

どうか

この世界が

この現実が












永遠でありますように






























あとがき


葉留佳は理樹の嫁。

基本的にはる×リキしか書きませんが…

今回は沙耶です。


しかし、葉留佳と付き合っているということはかわらないね(笑)

これ、頑張れば…連載できるんじゃね?☆

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