‡〜リトルバスターズ〜‡

---秋の風物詩/理樹×葉留佳/コメディー?
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秋の風物詩
 
そこは学校の中庭。
散乱した落ち葉


秋の風物詩

そこは学校の中庭。
散乱した落ち葉が古い木製のベンチとマッチして、何処か寂れた雰囲気さえ醸し出すその場所は、今日に限って活気に満ちていた。
芝生(落ち葉に覆われていて、判別はしづらい)のうえに集まる活気の発生源――僕ら、リトルバスターズよって。


修学旅行のバス事故の後、佳奈多さんと佐々美さん、そして、僕がリトルバスターズに入る前からの幼馴染みであり最近ここに転入してきた朱鷺戸あやさんを加え、更に騒がしい集団になったリトルバスターズは今日もリーダーである棗恭介の発案でここに来ている。


「焼きいもをしよう」


つい先程、何故か背負ったランドセルに何故か詰まっていた大量の薩摩芋を弄びながら、爽やかな笑顔で恭介が放った一言によりみんなに招集がかかった。
思いつきの一言から、5分以内に全員が集合するあたり、リトルバスターズはかなり結束した集団だと思う。

「焼きいもなんて何年ぶりかなぁ〜」
小毬さんがそう言うと、みんなもうんうんと頷く。
僕は確か小学校6年の秋が一番最後だった。
恭介達と一緒にやっていたので、やはり彼らも同じだろう。

「ひゃっほ〜!!楽しそうじゃあないか!!」

謙吾がウキウキ、クネクネと踊りだす。
…ネジのぶっ飛んだ最強の男はテンションも最強だった。

「焼きいもと聞いたら、筋肉担当の俺も黙っていることはできねぇな」

食べ物と筋肉にしか興味を持たない(持てない?)真人、てか筋肉担当ってなに!?

「焼きいもってなんなのですの?」
焼きいもを知らない笹瀬川さんを「ささ湖、お前は焼きいもを知らないのか?」と鈴が馬鹿にしている。

「佐々美ですわ!わたくしは何処かにある湖かなにかですの!?」


…バトルスタート


「ちなみにだ」

2人を全力で無視た恭介が不敵に笑った。

「中庭の使用に関しては、二木が既に許可を出している」

―…誰にも邪魔されたりしないぜ?

「よっしゃ〜!二木最高〜!」

「おぉ!お姉ちゃん、感謝しますヨ〜」

「かなちゃんありがと〜」

「うむ、融通の利く佳奈多君は粋な計らいをしてくれる」

思い思いの称賛の声に、満更でもない様子の佳奈多さん。
「これくらいなら、大して害はないですし。」

素っ気なく言っているが、そこに以前のような刺々しさはなかった。
二木の家に縛られなくなった今の彼女には、もうまわりに厳しくする必要はない。
勿論、葉留佳さんにも。
2人の関係は至って良好。というか、最近の佳奈多さんは葉留佳さんに対して、少し甘やかしが過ぎるぐらいである。

葉留佳さんの彼氏である僕が言うから間違いない。

「じゃあ、まずは落ち葉を集めよう」

恭介の号令でみんな落ち葉を拾いにいく。

「ほわぁ!?あやちゃんが草の中に隠れてる!?」

「来ヶ谷さんもなのです!?わふー!?か、佳奈多さんへるぷゆーなのです〜!」

楽しそうだった。
ちなみに、クド。ヘルプユーじゃなく、ヘルプミーだからね?

「うおぉおぉおお!」
「どりゃぁあぁぁぁ!!」

匍匐前進の要領で落ち葉を集めている真人と謙吾。 既に山のような落ち葉をかき集めている。

いやいや、そんなに要らないから…
(ちなみに、2分後にその落ち葉の山の中から、グルグル巻きに縛られた笹瀬川さんが発見されるのだが、これはまた別のお話)

見ていて飽きなかった。
「理樹く〜ん、みてみて〜♪」
見ると、葉留佳さんがタライ一杯に落ち葉を集めてきていた。
「よくこんなに集めたね」
それも、かなりの量だった。

「褒めて、ほめて〜」

「よしよし、葉留佳さんは偉いよ」

苦笑しながらも頭を撫でる。
葉留佳さんは暫く嬉しそうに大人しくしていた。

育った環境が環境の為、あまり人に褒められることがなかった彼女。
そのぶんを僕は埋めてあげたかったのだ。

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