‡〜リトルバスターズ〜‡

---はるちん革命/理樹×葉留佳/あまあま
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はるちん革命/理樹×葉留佳/あまあま


はるちん革命/理樹×葉留佳/あまあま













 さて、今は現国の授業中である。

 多くの生徒たちは、現国の教師が注意しないことを良いことに、寝るのが学生の本分であるかのように大きないびきと「筋肉〜」とかいう寝言を吐いたりする。

 僕は教室を見回す。

 ある者は友達とメールのやり取りをし

 またある者は、明日までが提出期限の数学のプリントや生物のレポートに必死の形相で取り組んでいる。

 そんな僕の机にも世界史の問題集と理科のワークが置かれているのだが、それは断じて僕の物ではない。


 机の上に置かれた(この場合、適当かつ無造作に放置された、という表現が一番適切だろう)裏表紙には『三枝葉留佳』と、僕のかわいい恋人の名前が刻まれている…筈だ。

 ちなみに、そのかわいい恋人は僕の膝の上に座っていて「理樹くん理樹くん〜」とか言いながら胸板に額を擦り付けていたりするのだが…

「葉留佳さん、勉強は?」

「やだ」

 即答である。
反応までにわずか0.1秒。
 本当に不真面目である。
 もともとが勉強を手伝う、という約束だったのに。

「駄目な子丸出しだよ?」

 ぷく〜と可愛らしく膨れた彼女の頬を指でつっつくと、それはぷしゅ〜と凹んでいった。


「…わかった」

「あ、ようやくわかってくれた?」


 内心ホッとする。
彼女はこういう面では譲らないところがある。

…下手すると泣く。

しかも大声で。


「理樹くんが褒めてくれるなら、やる」

「うん。思ったんだけど終わる前にというか、始まる前に褒めるのって新しいよね」

「えー!良いじゃん…ぷー…」

「あー、はいはい。わかった、褒めてあげるから。葉留佳さんはとってもかわいいよ」

 しょうがないので先に褒めておく。

しょうがないと言いながらも本心だが。

「やったー!理樹くん、もっと褒めて〜?」

満面の笑み。
さながら天使を想像させる微笑みに、ついつい

「葉留佳さんは良い子だねー」

本来ストッパーである筈の僕も流されててしまう。
しかし、それは葉留佳さんが可愛すぎるのが原因だ。

…結論を言ってしまえば、もともと彼女には勉強をしようという考えなどこれっぽっち、針の先ほどもないのである。

つまり、わかっていながらも僕は心の何処かでそれを望んでいたのである。


「じゃあ、私の取り柄ってなにかな?」

 …まぁ、いいけど。
うん。たぶん僕が悪い。
こうなった時点で僕の負けなのである。

「たくさんありすぎて困るよ?」

「じゃあ、全部教えて?」

いやいや、四時間は語れますよ?

「一生懸命でがんばり屋なところとか」

葉留佳さんは「うんうん」と嬉しそうに聞いている。

…いや、鈴、そんな混ぜろみたいなオーラ発して僕を見ないでよ。


えっ? なに真人。

えーと、き・ん・に・く…筋肉?

はいはい。筋肉ね。

だからなに?

…あ、泣いた。

そんな幼馴染みたちをスルーしつつ、話は進行する。

「あと、料理も上手くなったよね」

「えっ?ホントに?」

「本当だよ。葉留佳さんはいいお嫁さんになれると思うよ」

「じゃあ、理樹くんのお嫁さんになるー」

そんな彼女の頭を撫でてやると「えへへ」と僕にしなだれかかってきた。
うん。可愛すぎる。

「じゃあ、理樹くんになぞなぞ」

「なぞなぞ?」

「うん、なぞなぞ」

「毎回思うんだけど、葉留佳さんって本当に脈絡ないよね」

「ありがと」

「いや、褒めてないから」

その時、そんな僕らの机に鈴がトコトコとやって来た。

「どうしたの、鈴?」

「理樹、あたしも混ぜろ」


























「…ごめん、無理」


















「理樹なんか嫌いだぁぁああああああ!!」


泣きながら走り去って行った!!

「ほわぁっ!?りりり鈴ちゃん、今は授業中だよ〜!?」

大変だなぁ、小毬さんは。教室から飛び出していった鈴を追いかけて彼女は出ていった。
…あ、転んだ。
まぁ、そこが可愛らしくもあるのだが。













「理樹くん、安易にフラグ立てないでね?私がいるんだからさ」

「フラグってなにさ!?」
いや、まぁ。

あと僕、鈴になにかしたっけ?

「じゃあ、続きしよ?」


「そうだったね。僕、チキンはローソンのよりファミチキの方が美味しいと思うんだ」

「…ってそんな話はしてないデスよ!?この流れでチキンってなに!?…あれ?というか、ボケとツッコミのポジション変わってるますよね!?なんではるちんが突っ込んでるの!?」


「…いつにもまして饒舌だね」

「なんか冷静にかえされましたヨ!?」

「冗談だよ、ファミマが楕円形になったんだっけ?」

「そうだよね…冗談って違うー!」

あれ?
僕まちがえた?

「コンビニから離れてよ!ほら、なぞなぞデスよ〜」


「あ…あぁ…なぞなぞだったっけ。で、なぞなぞ?」

「はるちんはこの会話に違和感と理不尽を感じます…」

まぁ。

「じゃあ、はるちんにしかない取り柄ってな〜んだ?…ふっふっふ、キミには難しすぎたかな〜?」

「葉留佳さんにしかない取り柄…あ、あぁ…やっぱり?」

「うん、言って欲しいな」

たぶん正解だから、と彼女は言う。
言うべきか、言わざるべきか。

まぁ、逃げ道はない。

え? なに謙吾。

えーと、ジ・ャ・ン・バ・ー?

うん、まぁ。
正直…今はどうでも良いよね。
あ、泣いた。

どうでも良いよね繋がりなんだけど、ムキムキの男が2人泣いてる姿って、結構キモいと思うんだ。

ほら、クドが怯えてるし。西園さんがなんか言ってるし。

…美しくないです・・・?
なんじゃそりゃ。

そう思ったとき
ブルルルルと携帯が震えた。

あ、メールだ。

差出人『来ヶ谷唯湖』

タイトル:取り敢えず

本文:理樹君、馬鹿2人を抹消していいか?
あと、おっぱい。






まぁ。
取り敢えずオッケーと送信。
その二秒後に2人は姿を消した。
空中に。

「はやくはやく〜」

あ、葉留佳さん放置してた。

「うぅ…酷いよ、理樹くん〜」

「…心読んだ?」

「いや、まぁ…やはは」

あんた凄いな!

「で、なんだと思う?」

「葉留佳さんにしかない取り柄……やっぱり、僕に愛されることができる、かな?」

「やっぱり…理樹くんは自惚れ屋さんだよ…でも正解」

僕は真っ赤になった彼女を優しく抱き締める。

「理樹くん…」

「愛してるよ、葉留佳」

ボンッ!と葉留佳さんは固まってしまう。

「………して」

「ん?」


囁き。

「キス…してほしいな」

その要求に僕は躊躇わず唇を重ねる。

「ねぇ、理樹くん」

「なに、葉留佳さん?」


「私、今すっごく幸せだよ…」

すっごく、すっごく幸せだと彼女は言う。
最近まで、自分を世界一不幸せだと思っていた少女はいま幸せであると、そう言った。

「僕も幸せだよ」

だから僕もそう返す。

「なんで?」

『なんで?』の質も今は昔とは違う。

「葉留佳さんが、葉留佳が僕を好きでいてくれるから」

「やっぱり、理樹くんは優しいよ。…そんなこと言うと、はるちんはもっと甘えちゃいますよ?」

今もかなり甘えてると思うけどなぁ…

「まぁ…そのときは全部受け止めるよ」

やっぱり、葉留佳さんの甘えん坊が加速したのは僕のせいなのだろうか。

「じゃあ、悪戯の方ももっとしていい?」

いやいやいやいや…

「…そっちは出来れば勘弁願いたいな」

そっちは受け止められる自信ないから。

「嫌だなぁー、冗談デスヨ」

「冗談に聞こえなかったけど?」

「ごめんなさい、嘘つきましたぁぁああ!。わかったから、自重しますからそんな目で見ないで〜」

案外あっさり認めた。
素直でよろしい。

「はるちんは良いように扱われている気がしますヨ」

「…気のせいだよ」

「そっか、気のせい…うんおけおけ」

聞き分けが良いのも取り柄…かな。

「じゃあ、勉強をしようか」

「その時、授業の全てを忘れようとしていたはるちんに再び大いなる災いが降りかかった!」

「いやいや、たかがワークですから」

机に置かれたまま、忘れ去られたワークを取り上げる。

「あぅぅ…脳が溶ける…」

いやいやいやいやいや。

「まだ見ただけじゃん」


「へあぁ…目がぁ…目がぁぁぁああああああ!」

ええー
てか、ラピュタ王?

「先生に怒られちゃうよ」

「…あれ」

葉留佳さんが指をさすその先は黒板。
そこに書かれていた言葉は『自習』


「現国の富田ならさっき泣きながら出ていったぞ?」

Iをクダサイを口ずさみながらなと恭介が言った。
…あれ?恭介?

「いつから居たのさ?」

「…実は朝からずっと」

いやいやいやいやいや。

「…授業は?」

「サボった!」

いやいや、そんな胸張って言わないでよ。

「気にするな」

「人の心読まないでよ、この(21)!」

「誰がろりだ!!俺はろりじゃねぇ!」

「あれ?恭介さん」

激しく否定する恭介に葉留佳さんが声を掛ける。

「駄目だ!葉留佳さん!襲われるよ!?未だに鈴の下着を買ってきて悦に入っているような変態に近寄ったらいけない!」

帰れこのシスコ○
あとロ○コン
僕の彼女に手を出すな。

「大丈夫デスよ。私○リじゃないから」

いや、まぁ。

「で、なんだね三枝」

「理樹くんの部屋に置いてあった漫画の中に隠されていたあの本はなんですカネ?」

「ナ、ナナナナンノコトカネ?」

「あはは、鎌かけてみただけなのにいきなり掛かりましたネ」

そのまま、激しく動揺する恭介を掃除用ロッカーに詰め込みロープでぐるぐる巻きにして南京錠をかけた後、僕らは風紀委員会室に呼び出された、という名目の下避難した。














「あなたたちも懲りないのね」

はぁ、と溜め息をつく佳奈多さん。

「まぁ…」

「ごめんなさい」

取り敢えず謝るしかない。

「まぁ、しょうがないわね」

許された、というよりは諦められた。

「お茶でもどうかしら?」

「あ、貰っておくよ」

「サンキューお姉ちゃん」

こうして毎日が過ぎていく。


あれ?勉強…
























続く


あとがき

はるちんが甘えんぼ化すると革命的だと思うんだ。

同意だと思う人は感想送ってくれると嬉しいな。
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