‡〜リトルバスターズ〜‡

---聖夜祭の僕ら/理樹×葉留佳/あまあま
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朝っぱらから突如発生した筋肉旋風によってクリスマスイブをまっ

朝っぱらから突如発生した筋肉旋風によってクリスマスイブをまったり過ごすことになった僕と葉留佳さんは、文字通り『まったり』とイブを満喫していた。

暖かな、暖房のしっかり効いた広い部屋。
勿論、そこは僕の部屋……な訳ない。

ここは三枝家。
葉留佳さんの実家であり、今は佳奈多さんの家でもある。
何故、寮に帰ったはずの僕たちがここに居るのかと言えば…「寒いから家に行きたい!」と、またまた脈絡なく葉留佳さんが言い出し、寮よりも三枝家の方が近い位置に在ったが為。
そして、何より寛ぐ環境が整っている事が決め手になった。

台所からは、葉留佳さんが現在制作中の食欲をそそるスパイシーななにかの香りが漂っていて、僕のお腹ははしたなく「きゅるるるる〜」と音を響かせた。

「料理、上手になったなぁ…」

付き合い始めた頃は、卵料理しか作ることのできなかった葉留佳さんだが、僕のお弁当を作る為に練習してくれたらしく、今では然程難しくない料理なら大抵作ることができるようになっていた。

葉留佳さん曰く「愛の成せる技ですかネ」
愛されていることを実感し、つい頬が緩んでしまう。

「理樹くん、なんかにやけてる〜」

ひょいと台所から顔を出した葉留佳さんに指摘され頬を押さえる。
どうやら、相当だらしない笑みを浮かべていたようだ。

「あと少しだから、ちょっと待ってて?」

「うん」

ゴロゴロと滑らかかつ暖かなフローリングを移動して葉留佳さんに近付く。

「あはは♪理樹くん、ドルジみたい〜」

「……ぬぉ?」

そうか、アイツはいつもこんな感じで移動していたのか。

「理樹くんかわいい♪」

頭を撫でられ「かわいいかわいい」と連呼される。

「・・・僕、一応男だからね?」

「でも、かわいいものはかわいいよ」

正直、それもどうかと思うが、取り敢えず褒め言葉として有り難く貰っておくとしよう。

「じゃあ、あと少しだから」

最後に名残惜しげに頭を一回撫で、葉留佳さんは台所に戻っていく。

ちなみに、僕はゴロゴロと葉留佳さんを追って入り口までドルジのように移動していた為、台所の中が良く見えた。

かわいらしい、みかんのマークが描かれたオレンジ色のエプロンを身に付け、変則ツインテールをゆらゆらと揺らし鼻歌を歌って料理するその姿は、反則的に可愛らしかった。
来ヶ谷さん風に言えば「萌え〜」だ。

床の温もりを感じつつ、暫くその姿を見つめる。

きっと、晶さんがこの場にいたら、僕の隣で同じようにしていただろう。

ちなみに、三枝家の皆さんは温泉に行ったらしく、現在三枝家には僕と葉留佳さんの2人しかいない。

佳奈多さんは、あの通り『筋肉旋風』に巻き込まれたので暫く帰っては来ないだろう。

少し考えて、2人っきりの事実に気付き、少し意識してしまう自分がいた。

気を紛らわせる為に真人と筋肉で遊ぶことを考えたが、全く効果はなく、胸の鼓動が速くなる。
なんというか、理性が……うん、落ち着こう……………ボドドドドゥドー…………

ただ、前作の主人公のように後ろから抱き締めたりはしない。殺されたりしない分、歯止めが効かなくなるから。
仕方なく、そのまま暫く葉留佳さんを眺めて時間を潰した。












「出来たよ〜」

それから暫く時間が経ち、空腹で死にかけて机に伏していた僕の元に葉留佳さんがやってきた。

自信たっぷりな顔で「どうだ!」と料理を並べる。

机の中心部には特大のクリスマスケーキが置かれ、その周りには見るからに美味しそうなチョコレートマフィンが皿に山盛り。手前に置かれたミルクスパゲッティがクリーミな香りを漂わせていた。

うん。
「…凄い」
正直、ビックリした。

「ほめて、ほめて〜♪」

「葉留佳は凄いね〜あれ?でも、作ってる時にスッゴいスパイシーな香りが漂ってきたんだけど?」

その言葉を待っていました、と言わんばかりに不敵(?)に笑うと、葉留佳さんはもう一度キッチンに姿を消した。


少しして
戻ってきた彼女は大きな鍋を抱えていた。

それがとんっ、とテーブルに載せられ葉留佳さんがニコッと笑った。

「はるちんの自信作、デスヨ♪」

鍋を覗き込むと、具沢山のシチュー。

とっても美味しそうだ。

「頑張ったね」

僕は葉留佳さんのアタマを撫でながら、素直な感想を述べる。

「…えへへ♪」

葉留佳さんは嬉しそうに微笑む。

「じゃあ、食べよっか?」
「うん♪」



















結局、あれだけの量を2人で食べ尽くしてしまった。
少し食べ過ぎで胃が気持ち悪い。

「……そうだ、理樹くん」
「ん?なに、葉留佳」

いつの間にか僕の太ももの上に移動して座っていた葉留佳さんが何気なく問い掛ける。

「今日のメインディッシュは何だと思う?」

「え!?まだ食べるの?」

正直、お腹いっぱいで死にかけている僕には少しキツかった。

「うん」

「……マヂで?」

「勿論、マヂでですヨ♪」
「じゃあ、なにかな?」

恐る恐る僕は葉留佳さんに尋ねる。

どうか、胸やけしないものでありますように…

「であであ、理樹くん!」

それは
唇に感じる柔らかな感触。
…葉留佳さんの唇だ。
あれよあれよと言ううちに唇を割られ、葉留佳さんの舌が僕の中に侵入する。

「んぅ…ちゅ…んむ…」

ぴちゃぴちゃといやらしく水音が響き、僕たちはそれの行為に暫く没頭した。

2分くらい経っただろうか、唇を離した彼女は

「私を……たべて♪」

そう言って、僕に抱きついた。
上気した顔、ほどけた髪。
爽やかなオレンジの香りに高まっていく僕。

「…葉留佳、愛してるよ」

そう告げて、僕は彼女をソファに押し倒す。

我慢はできるはずもなかった。











































―その夜。

すやすやと眠る葉留佳さんの寝顔を眺め僕は呟く。
「メリークリスマス、葉留佳」

―彼女の枕元に、そっとプレゼントを置きながら。
「愛してるよ」

それは、銀の指輪。
俗に言う、婚約指輪というものだ。

布団に入って目を閉じると、「私も、愛してるよ」
確かにそう返事があった。
あぁ、そうか。
起きてたもんね、葉留佳さん。

少し複雑な表情を浮かべ、きっと来ないであろうサンタの老人(恭介によると、サンタとペリーは同一人物らしい…←だからなんだ)が彼女のトラップに引っ掛かる様を想像し、やりきれない思いになった。


翌朝。
その罠に引っ掛かって身動きの取れない佳奈多さんと、同じく恭介(こちらはサンタルック)が捕らわれていて、ふたりして大笑いしたのは全くの余談である。
そして、全裸であることを指摘され、真っ赤になって布団に隠れた…なんてことがあったとかなかったとか。




続く…





あとがき

例のアレ希望が足りなくてEX化を断念。

100はやり過ぎだったかと猛烈に反省中デスヨ…
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