‡〜リトルバスターズ〜‡

---理樹くんとはるちん☆その2
1/1ページ目

昼休み 



場所は中庭。 


理樹と葉留

昼休み



場所は中庭。


理樹と葉留佳はいつものように芝生の上でお弁当を食べていた……のではなく、井ノ原真人少年と対峙して睨みあっていた。

…といっても、理樹は葉留佳の横で苦笑いしているだけだったが…

「バトルか?」

恭介が、いつものように野次馬を呼び寄せて、いつでもバトルスタートができる状態である。

まぁ、今回、何故にバトルが勃発したかというと、今日の夜に開催予定の第二回お泊まり会の会場を巡る言い争いが発端だった。

「じゃあ…今日は理樹くんのお部屋でいいですよネ?」

その一言で真人がキレた。

「オレと理樹の愛の巣を、三枝!!お前たちになんか渡したりはしないぜ!」

愛の巣って真人…
まったく、朝の言動といい、彼は本当にホモなんだろうか。

「井ノ原さん。美しくありません」

「というか、オレはどこで寝たらいいんだ!」


「…外デスかね?」



「ふざけるなぁあぁぁぁ!!」









そして、今に至る。


「理樹はオレの筋肉と遊ぶんだよ!今日ぐらいオレに譲れ!というか、オレの寝床を返せ!」


「理樹くんは、はるちんと遊ぶのだー!真人くんには渡しませんヨ、ハイ!」


なんとも身勝手な口上を叫びながら勝負は始まった。

「直枝…修羅場だな」
「ドンマイだ」

野次馬たちが理樹に同情している。
まったくその通りなのだが、理樹は「もう慣れっこだよ」という表情を浮かべるだけだった。


「野郎ども、武器を投げ入れろ!」


…バトルスタート!!


【筋肉旋風を巻き起こしたクズ(実はメイド好き?)】
井ノ原真人


VS


【騒がし甘えん坊☆恋娘(直枝限定)】

三枝葉留佳


「筋肉旋風ってなんだ?」
「クズって…可哀想に」
「てか、メイド好きってなんだ!?井ノ原は…メイド好きなのか?」
「あぁ…あれは確か、笹瀬川がつけてたよな…」
「ちなみに、三枝の称号は二木が着けたらしいぞ?」
野次馬の中で称号についての論争が展開していた。
どこからそんな情報を仕入れてくるのか。
よっぽど暇なのだろう。

「これを使いますヨ♪」

葉留佳はポケットから手作りの直枝理樹きゅん人形を取り出した。

「「「乙女だぁぁーー!!恋する乙女だぁぁーー!」」」

野次馬から歓声があがる。理樹、非常に恥ずかしい。「うぁあぁぁぁあ〜」と地面を転がり回っている。

腕力が50UP
体力が50UP
敏捷性が50UP
判断力が50UP
集中力が50UP
運が50UP

「ふっふっふ〜、更にこれも使いますヨ!」


葉留佳は理樹の日記(高校生編)を使った。

敏捷性が50UP
判断力が50UP
集中力が50UP
運が50UP

「駄目だって、葉留佳さん!…というか、どこからそんなアイテムを!?」

「理樹くんの部屋ですよ?」

「なんだってそんなものを…」

理樹、プライバシーも何もあったもんじゃないと泣き崩れた。

「直枝、可哀想に」
「というか、中学生編とかもあるのか?」

非常に気になる。

「…そして、真人くん。はるちんには特殊アイテムがあるのデスよ!!」

葉留佳は不敵に笑う。

「な、なにぃ!?特殊アイテムだと!?それはどんなプロテインなんだ!?」

あぁ…真人少年。
キミには特殊アイテム=プロテインなのか。

「特殊アイテムはプロテインじゃないからね?」と突っ込みを入れる理樹を葉留佳は連れてくる。

…もしかして。

「理樹くんがはるちんの特殊アイテムなのだー!」

「「「なんだそりゃぁぁあぁぁ!?」」」

あまりにも脈絡の無い行動に野次馬の突っ込みが綺麗にハモった。

葉留佳のオールステータスが200上がった。

「「「更になんだそりゃぁぁあぁぁ!?」」」

…なんだその企画外のアイテムは。
ちなみに、現在の葉留佳のステータスは理樹きゅんアイテムセットによって、真人の二倍ぐらいまで上昇している。

「そうか…理樹はプロテインだったのか…」

約一名。とんでもない勘違いをしていた。

そして、真人のアイテムはおにぎり。
おにぎりは回復アイテム故に、能力は上がらない。

つまり、武器選択時間に良い武器を引き当てなければ…負ける。

しかし、真人は余裕の笑みを浮かべ悠然と空中からアイテムを掴み取る。

「ふっ…オレの武器はコイツだぜ!覚悟しろ三枝ぁ!…って、うなぎパイ!?」

武器【うなぎパイ】

「う、うおおぉぉぉぉおぉお!!!」

己の掴んだ武器を見つめ、絶望のあまり髪を自ら毟っている。
絶対、将来禿げるだろう。
「憐れだ。」
「不憫だな井ノ原」
「てか、誰だよ…うなぎパイ投げ入れたやつ」

野次馬があまりの落胆ぶりに、真人を哀れんでいる。

「くそ!こうなったら…すげぇ勢いで繰り出して、すげぇ勢いで攻撃を食らわせてやるぜ!」


意外とポジティブだった!


そして、葉留佳は全く動かない。

「どうしたんだ、三枝が武器を持っていない!」
「いや、よく見ろ。武器が…」

武器【直枝理樹】
※どうやって使うか全くわからん。見当もつかん。もう好きにしろ by恭介

「What!?なにその使用方法!?」

「おおー、リキ。とってもネイティブな発音なのですー!おもわず惚れてしまいます〜!」

「うわっ!?クドいきなり抱きつかないで!?」

「ぬおぉぉお!じぇらしぃいぃぃい!!!」

真人に99のダメージ。


………ダメージ!!?


「うおりゃぁあぁぁ!」
最初に動いたのは真人。
うなぎパイを片手に全力で突進。

バシバシバシバシ!

「痛いデスよ〜…」

葉留佳に25ダメージ
葉留佳に27ダメージ

ボキッ!
嫌な音をたてて、うなぎパイは折れた。

「うぉおぉぉお!う・な・ぎ・パイがぁあぁぁあ!」

「憐れだ。」
「俺、なんか泣けてきた」

野次馬が凄いダメージを食らっている。



葉留佳の攻撃
理樹は真人を憐れむような目で見つめている。

「うぇえ!?これ、攻撃なんだ!?」

「うおおぉぉ…理樹に憐れまれたぁぁあ…」

真人に105ダメージ


真人の攻撃。
真人は折れたうなぎパイを二刀流に構え、葉留佳目掛けて降り降ろす。

「…全く、葉留佳さんは」
理樹がうなぎパイの攻撃を受け止めた。

「理樹!?」
戸惑う真人に、葉留佳はすかさず反撃を加える。

「はるちんアタック!」
脈絡の無い攻撃。だが、カウンター気味に叩き込んだ一撃がクリーンヒット。

真人に125ダメージ

「まだまだー!」
鋭いフック。
真人に156ダメージ

「とりゃあ!!」
来ヶ谷ばりのスピードで真人の後ろに瞬間移動。思いっきり蹴りあげる!

「なんじゃそりゃぁあ!?」
真人に123ダメージ

「ほわちゃー!」
超高速で移動しながら、真人に音速のラッシュを叩き込む!

「な、なんだあれは…来ヶ谷より速くねぇか!?」

あまりの速さに、野次馬の目には葉留佳が12人くらいに分身して真人をフルボッコしているようにしか映っていない。
終いには、2人のまわりに土埃が舞い、その姿を完璧に覆い尽くす。


「…ふぅ、はるちんスッキリ」

煙が晴れたとき、
真人は音もなく崩れ落ちていた。


「憐れだ…」
「俺、実家に帰るよ…」

野次馬が燃え尽きていた。

「これを進呈☆贈呈☆掌呈ずびしっ!!」


真人は【ガチホモ】の称号を手に入れた。


「うおおぉぉ!嫌だぁぁぁあぁ!」

目を覚ました真人が絶叫していた。
というか、あれだけの攻撃を喰らって声をあげることができる真人はよほどタフなのだろう。

「ふぁっふぁっふぁ〜…はるちんに逆らうからこうなるのデスよ真人くん♪」

三枝葉留佳…恐ろしい娘だ。


そして、井ノ原真人。
憐れなやつである。















「全く、葉留佳さんは…」

数分後。
野次馬も居なくなって静かになった中庭のベンチで葉留佳を膝枕しながら理樹はそうぼやく。

「えー、おもしろいじゃん!ぷー!」

「ほらほら、どうどう」
「むきー!はるちんは馬じゃないやい!」

暴れだした葉留佳の頭を優しく撫でながら宥めながら理樹は苦笑する。

―…やっぱり、葉留佳さんはかわいいなぁ。


普段の葉留佳も、こうして理樹にだけ甘えてくる葉留佳も、かわいいと思った。
そよそよと秋風が2人の頬を撫でる。
少し肌寒いが楽しい昼休みだった。

「ねぇ、理樹くん」

「ん?なに、葉留佳さん。」
「キスして?」
また脈絡の無いお願いだった。

「葉留佳さんって…本当に脈絡が無いよね。」

断る理由もないので軽くキスしておく。

「…理樹くんは優しいなぁ」

「そうかな?」

「うん。理樹くんは優しいよ」
なんだか照れる。

「葉留佳さんもかわいいよ」

言われてばかりは悔しいので反撃する理樹だが、「ありがとぉ〜」と普通に返されてしまった。

「全く、あなた達は…」

苦笑いを浮かべながら、佳奈多がやってきた。昼の見回りだろうか。ヴェルカとストレルカを引き連れている。

「はい、差し入れよ。寒いでしょう?」

カフェオレを手渡される。あたたかかった。

「ありがとう、お姉ちゃん」
「あ、佳奈多さんありがとう。」

ベンチに座る佳奈多。

「今日は見回り?」

「うん。まぁ、最近は特に大きな騒ぎは何にもないけど」

チラッと、笑いながら葉留佳を見た。

最近、葉留佳は結構大人しくしているのだ。
理由はわからないが。
騒ぎらしい騒ぎは起こしてはいない。

「そうだ。佳奈多さん」

「なにかしら、直枝?」

「今日、僕の部屋でお泊まり会をやるんだけど…佳奈多さんも来る?」

「あのねぇ、直枝。」
―…私は風紀委員長よ?

「忘れてたよ」

なんともなさげに返す。
「全く、あなたは…」

考え込む。

「まぁ、良いわ。葉留佳も居るんだし」

いつの間にか理樹の膝の上ですやすや寝ていた葉留佳の頭を軽く撫で、立ち上がりながらそう快諾した。

「うみゅう…みかん…むにゃ」

どんな夢をみているのだろうか。

「じゃ、楽しみにしてるから」

ヴェルカとストレルカを引き連れて佳奈多は見回りに戻っていく。
その表情がどこか寂しげに見えたのは…錯覚だろうか。
「………」

結局、何も言えずに見送ってしまった。

「うぅ…理樹くん…お姉ちゃん…筋肉〜…すや〜…」
キミはどんな夢をみているんだ!?

理樹は、少し葉留佳の頭を心配した。











あとがき

次はお泊まり会編だよ!
[指定ページを開く]

章一覧へ

<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ