光の扉

▲背中
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  ―小さい頃・・・俺はずっとあの者の背を追っていた・・歩くときいつも手を引かれ、俺の少し前を歩いていたその背中・・
 そして・・今も・・追いつけない・・―



「佐助・・」
「何?旦那?」

 今日は逢引だというのに・・佐助は俺の少し前を歩いている・・

「何で俺の前に行くのだ・・」
「何でって・・そりゃぁ〜旦那より前に行って前方の安全を確保するためにだよ・・?」

 俺の質問に不思議そうに答える佐助・・
 佐助の性格上俺のことを“恋人”という考えより先に“主”というのが先に来るのであろう・・

「そうか・・」
「旦那・・?」

 少し佐助の速さが遅くなってきて・・

「どうしたの?疲れた??」

 と心配そうな顔をして聞いてくる・・

「なぁ・・佐助・・」

 俺は歩みを止めると佐助も足を止めて・・

「何・・?」

 と聞いてくるもので・・
 佐助の隣に行き・・・

「佐助・・俺の隣を歩いてはくれぬか?・・」
「ぇ?」
「今日は・・いや・・2人でいる時は俺に背を向けるな・・」
「・・・旦那・・」

 佐助は一瞬困ったような顔をしていた・・だが・・

「わかったよww旦那w」

 笑って答えてくれた・・

  ―幼い俺はやっと・・・愛しき者の背に追いつけた―
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